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医療現場における人手不足の解決策|厚労省の見解や医療AIやDXも

2024.08.16
  • コンタクトセンター

医療現場では、人手不足の深刻化が問題です。医療ミスや医療現場のひっ迫をもたらす人手不足について、厚生労働省(以下、厚労省)も支援を開始しています。本記事では、医療現場における人手不足の解決策や、厚労省による支援の詳細についてご紹介します。


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厚生労働省の人手不足に対する支援策とは

高まる医療人材の不足に、厚生労働省はいくつかの支援策を打ち出しました。医師・看護職員・薬剤師のそれぞれに立てられた「人材確保のための支援策」の詳細は、以下のとおりです。

医師に対する支援策

医師確保に向けた取組は、主に以下の3つに区分されています。

医師養成過程における取組
医師数の地域差を是正するため、大学医学部の地域枠数や、臨床研修医や専攻医の採用上限数の見直しなどを実施

各都道府県の取組
医師確保計画をもとに、医師派遣事務の実行や勤務環境改善センターとの連携、キャリア形成プログラムなどの取組を実施

医師の働き方改革
適切な労務管理・労働時間短縮に向け、医療勤務環境改善支援センターが医療機関への支援を実施

それぞれの取組の相互作用による、日本全体の医師確保・地域差是正が目的です。

看護職員に対する支援策

看護職員の人材不足には、以下の3本柱を中心に取組が推進されています。

新規養成
看護学生の学習環境整備や補助のほか、看護関係資格の取得を目指す社会人経験者で、特定の講座を受講した学生への給付などを実施

復職支援
離職者の情報を把握したうえで、都道府県ナースセンターが復職研修や職業紹介などの支援を実施

定着促進
看護職員の定着を目指し、都道府県医療勤務環境改善センターの支援や病院内の保育所・仮眠室の整備など、勤務環境改善に向けた支援を実施

また医師と同じく、職員数の地域差を是正するための取組も実施されています。

薬剤師に対する支援策

薬剤師の不足に対しては、国が支援として薬剤師の確保にかかる経費を補助しています。

各都道府県に設立された「地域医療介護総合確保基金」は、地域医療の支援を目的にさまざまな事業を進めるための基金です。基金の3分の1は各都道府県が負担し、残り3分の2は国から交付された補助金で賄われます。
この地域医療介護総合確保基金で進められる事業のうち、事業Ⅳ「医療従事者の確保に関する事業」において、薬剤師の確保に関する経費を基金の対象とすることが明示されています。以下の2つが経費の対象です。

薬剤師修学資金貸与事業に必要な経費
都道府県が指定する病院へ、期間を定めて薬剤師派遣をおこなうための経費

地域医療の維持には薬剤師も重要であり、確保のための支援に奔走しています。

厚生労働省推奨!医療従事者の勤務環境改善方法とは

厚生労働省は医療従事者の確保支援だけでなく、勤務環境の改善も推進しています。勤務環境の改善によって、新たな医療従事者の雇用を増やし、既存の医療従事者の離職を防ぐことを目指しています。厚生労働省が推奨する勤務改善方法について、以下で確認しましょう。

勤務環境改善マネジメントシステム

「勤務環境改善マネジメントシステム」は、医療現場において医療従事者が働きやすい環境をつくる仕組みです。医療従事者の健康増進や安全確保の実現は、医療の質の向上・患者の安全や健康につながることが期待されます。
本システムの特徴は、医療機関ごとに柔軟な仕組みづくりができる点です。すべての医療機関が同様の措置を取るのではなく、各医療機関がそれぞれの実態に合った仕組みづくりを自主的に進めます。実施した仕組みの効果をチェックし、修正して再実施する「PDCAサイクル」をもとに評価・改善する点も特徴です。

医療勤務環境改善支援センター

各都道府県は、医療現場の勤務環境の改善を支援する「医療勤務環境改善支援センター」を設置しています。医療の質の向上や人材確保、適正な労務管理などの支援がセンターの役割です。
医療機関からの要請に応じ、医療労務管理アドバイザー(社会保険労務士)や医業経営アドバイザー(公認会計士)による相談・アドバイスを実施しています。各医療機関に向けて勤務環境改善マネジメントシステムの導入支援も実施しており、勤務環境の改善を目指す医療機関を手厚くサポートしています。

医師の労働時間短縮の取り組み

厚生労働省からの指定を受け、日本医師会が設立した団体が「医療機関勤務環境評価センター」です。医療機関勤務環境評価センターは、各医療機関の求めに応じて勤務環境の評価を実施しています。センターが公開している「評価項目」は、以下の3つです。

医療機関内の労務管理体制
医師の労働時間短縮に向けた取り組み
取組の実施効果

評価をもとに、センターが各医療機関に助言や指導をします。その他にも、医療機関が連携B・B・C水準の指定取得を希望する場合には、医療機関勤務環境評価センターからの評価を受けたあとに都道府県への申請が必要です。

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人手が足りないときの対策とは

医療現場の人手不足が起きていても、すぐに人材を確保することは困難です。しかし近年では、人手不足への新たな解決策も生み出されています。以下で、単純に人を増やすだけではないソリューションについて、確認しましょう。

医療AIや医療DXの導入を検討する

医療AIとは、医療分野に応用された人工知能(AI)のことです。患者のデータ分析や診断のほか、治療計画の提案などができます。
医療AI導入における最大のメリットは、医師・看護師業務の負担軽減につながる点です。業務の負担軽減により、医師や看護師がより集中して他の業務を実施できるだけでなく、人手不足の現場にも大きく貢献します。

しかし医療AIは「患者データの保護」「診断データの正確性」などの面ではまだまだ発展途上であり、業務を完全に任せられない点がデメリットです。

医療DXとは、医療現場におけるデジタル化の取組を指す言葉です。オンライン予約やオンライン診療、電子カルテ、ビッグデータの活用などが医療DXに該当します。こちらも、医療の質の向上や業務効率化のほか、人手不足により発生した課題に効果を発揮します。

しかし、医療DX導入には高コストがかかる点が大きなデメリットです。ペーパーレスや人件費を考慮すると、将来的には経費削減につながりますが、導入に高額な経費が発生することは避けられません。またオンライン予約やオンライン診療などは、デジタル格差により高齢者が使いこなせない可能性もあります。

業務をできるだけ効率化する

業務効率化も、人手不足に代わるソリューションの一つです。医療現場においては、マニュアルの作成や電子カルテの導入、他院との連携やWeb上での問診などさまざまな手法が挙げられます。
業務効率化を実施することで、以下のメリットが見込めます。

医療従事者の負担軽減
新人スタッフの教育コスト削減
患者の利便性向上

人手不足に対しては、普段の業務を見直すことで「少ない人手でも対応できるようにする」方法が有効です。

業務をアウトソーシングする

一部の業務をアウトソーシングすることも一つの手です。人手不足が深刻な医療機関では、一人の医療従事者が抱える業務量が多種にわたり、勤務環境の改善には程遠くなるケースがあります。

電話・メール対応やデータ入力などをアウトソーシングすることで、医療従事者が本来の業務に専念できるようになるでしょう。
医療BPOでは、「予約受付」や「事前カウンセリング」「オンライン診療のアフターケア」までワンストップでサポートします。

人手不足による医療現場のリスクとは

医療現場の人手不足は、人命にかかわる重大な問題です。専門性を持つ医療従事者が多数必要な医療現場では、人手不足が医療崩壊を招くおそれがあります。人手不足によるリスクを、以下で確認しましょう。

医療ミス

医療ミスは、人手不足によって発生するおそれのあるリスクの1つです。
人手不足によって一人当たりの業務量が増加すると、医療従事者の疲労が蓄積します。心身が疲弊し集中力が低下した結果、医療ミスは発生しやすくなるでしょう。

また、日々の業務によってスタッフへの教育に力が入れられず、知識や技術の向上が難しくなった結果、医療ミスが発生する可能性もあります。
医療現場における医療ミスは、文字通り「命取り」です。人手不足による医療ミスの可能性は無視できません。

医療現場のひっ迫

医療現場のひっ迫は、人手不足による代表的なリスクです。
新型コロナウイルス感染症の流行時、各メディアで「医療現場がひっ迫している」と報じられていました。

これは増え続ける罹患者数・入院患者数に対して、対応できる医療従事者の不足が原因と考えられています。日本においては、病院数は多くても、医師数が足りないのが現状です。

また人手不足による一人当たりの業務量の増加が、医療従事者を疲労でダウンさせ、残った医療従事者にさらなる負担がのしかかります。こうした悪循環も、人手不足による懸念点です。

病院の経営困難

医療現場の人手不足は、病院の経営難にもつながるおそれのある原因です。
人手不足により診察できる患者数が減ることで、単純に売上は減少します。医療の質を保つためにも、多くの患者を一気に診ることは現実的ではありません。

また人手不足に伴う、給料の引き上げや残業代の増加も経営難に直結します。新たな医療従事者採用のための広告費も必要であり、人手不足は人件費の増加に拍車をかけます。人手不足の発生により、収支のバランスが崩れやすくなることが懸念点です。

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医療現場の人手不足問題は当社にお任せください

医療現場の人手不足は、現在も続く深刻な問題です。人材確保や勤務環境改善など、医療機関の抱える課題は日々増えるでしょう。しかし人手不足は、アウトソーシングによって解決できる可能性があります。当社の提供する医療BPOサービスは、医療現場の業務をワンストップでサポートし、医療従事者の煩雑な業務を支援いたします。


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