発送代行サービスとは?メリット・デメリットや価格相場
近年、ECや通販の需要が高まっている中で、商品の在庫管理や発送業務を委託する発送代行サービスが注目されています。しかし、サービスの利用に際してどのようなメリットや注意するべきポイントがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では発送代行サービスを利用するメリットやデメリット・注意点についてまとめていきます。また、発送代行サービスの価格相場も解説するためので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
発送代行サービスとは?
発送代行とは、ECサイトや通販サイトなどで購入した商品を発送する際に、本来事業主がおこなう発送業務を代行するサービスです。主に、商品の梱包業務や保管場所における商品の移動、発送先の宛名入力、ピッキング業務など、発送時の業務を事業主に代わっておこないます。
また発送代行サービスは、従来BtoB(法人同士)がメインのニーズであったものの、最近ではBtoC(法人から個人)やCtoC(個人から個人)のニーズも高まっています。事業主にとって負担がかかりやすい発送業務をアウトソーシングすることで、時間を効率的に活用できます。
発送代行サービスについては以下の記事でも解説しているため、よりくわしく知りたい方はぜひごらんください。
>>発送代行サービスとは?活用のメリット・デメリットや業者の選び方を紹介
発送代行サービスの需要が高まっている背景
発送代行サービスの需要が高まっている背景に、ECサイトの市場規模が大きくなっていることが挙げられます。2010年代からスマートフォンの普及に伴い、ECサイトが消費者にとって身近な存在となりました。
一方でECサイトを運営する事業者にとっては、売上が拡大するごとに、発送に関連する業務も増加します。売上が増加することはプラスになるものの、発送業務の負担がかかってしまうのも事実です。そのような状況下で、発送代行サービスは事業者の課題解決につながるサービスとして注目を集めています。
特に近年は、EC業界における競争が高まっており、発送からお客様に商品が届くまでのスピードや配送の質が重要なポイントとなっています。今後もEC全体の需要が高まる中で、消費者が求めるスピードや配送品質を維持するためにも、発送代行サービスの需要が高まっているのです。
発送代行サービスに依頼可能な業務一覧
冒頭でも解説したとおり、発送代行サービスには様々な業務の依頼が可能です。発送代行サービスは、発送業務だけでなく、倉庫作業に関連するあらゆる業務を代行してくれます。
発送代行サービスの業者によって依頼可能な業務が異なるため、サービスを利用する前にしっかりと確認しましょう。
・在庫管理業務
・入荷・入庫業務
・検品業務
・ピッキング業務
・出荷業務
・返品業務
在庫管理業務
在庫管理業務とは、自社商品を適切に管理するサービスを指します。商品の種類によっては適切に保管しておかないと、商品として使えなく、価値が下がってしまったりする恐れがあるでしょう。
発送代行サービスでは、専用のツールや独自の保管方法を用いて、事業者に代わって保管業務をおこないます。また、商品が売れるごとに在庫数の増減もチェックし、商品の売り切れが発生しないような対策にも活用できます。
入荷・入庫業務
次に、商品の入荷・入庫業務です。前者の入荷業務とは、物流倉庫に届いた商品を受け入れる入庫の前処理業務を意味します。一方、後者の入庫業務は入荷した商品を保管場所へ移動する業務のことです。
入荷・入庫業務は発送業務全体でも重要な業務といえます。例えば商品を入庫する際に、商品名を誤って入力したり、保管場所を間違ってしまうと、出荷時に商品を誤った状態で配送する恐れがあるためです。発送代行サービスを利用することで、このようなミスを最小限に抑えられます。
検品業務
3つ目は、商品の検品業務です。入荷・入庫する際に、商品に異常がないか、正しい商品であるかなどを確認します。
また、上記の検品業務だけでなく、発送代行サービスの中にはカタログの添付やラベルの貼り付けといった加工までおこなう業者もいます。幅広い範囲の業務を代行してくれるサービスもあるため、比較する際に業務内容を確認しましょう。
ピッキング業務
ピッキング業務とは、納品書に記載された情報をもとに、お客様に配送する商品を集める業務です。注文数・商品数が多くなるほど、ピッキングが必要な場面が増えるため、業務の負担も大きくなります。
一般的に、発送代行サービスのピッキング業務は、商品ごとに費用が決まっている場合が多いため、あらかじめ1件当たりどれくらいの費用が発生するのかを確認しましょう。
出荷業務
配送代行サービスのメイン業務となるのが、出荷業務です。商品を発送する際の梱包から出庫、お客様への配送業務までがサービスに含まれます。
また配送をおこなうだけでなく、商品に合ったサイズの梱包資材を使った梱包業務も併せておこなうこともあります。発送に関する一連の流れが委託可能であり、自社の業務効率改善や従業員の負担軽減に生かせます。
発送代行サービスに含まれる梱包代行サービスについては、以下の記事でさらにくわしく解説しています。
>>梱包代行サービスとは?利用するメリットや選定時のポイント
返品業務
最後に、返品業務です。返品業務は、お客様宛てに商品を配送したあと、商品に傷や欠損などの不良品があったり、お客様からの返品や交換希望が発生したときに、返品に関する一連の業務を代行します。
返品は、自社が原因であるものからお客様都合まで、理由は様々です。顧客満足度を向上させるためにもスピーディな対応が求められる中で、発送代行サービスは役立つでしょう。
返品業務については、以下の記事でもくわしく解説しています。発送代行サービスの利用を検討されている方はぜひごらんください。
>>返品交換を求められる理由を解説!対応する際のポイントとは
発送代行サービスを利用するメリット
発送代行サービスには、事業者側にとって多くのメリットがあります。どのようなメリットがあるのか一つひとつ解説していきます。
・業務の効率化につながる
・物流業務の質が高まる
・業務全体の可視化がしやすい
・在庫スペースの確保が必要なくなる
・物流経費が変動費になる
業務の効率化につながる
1つ目のメリットが、業務の効率化につながることです。発送業務は、商品の入荷・入庫から、在庫管理、ピッキングなどの業務をこなさなければならないため、従業員の手間がかかるだけでなく、多くの時間を要します。
そこで、発送代行サービスを活用すれば、発送業務に使っていた時間を節約できます。また、経営企画やマーケティングといったコア業務を従業員に担当させれば、さらなる売上アップが狙えるでしょう。
物流業務の質が高まる
次に、物流業務の質が高まりやすいことも、発送代行サービスのメリットに挙げられます。お客様までの発送に遅れが出たり、ミスや商品の欠損が発生したりすると、クレームにつながる恐れがあります。
発送代行サービスは、発送に関する専門的な業者がおこなうため、上記のようなミスを防ぎやすくなります。また、物流業務全体の質が高まることで、お客様の満足度向上にも期待できるのです。
発送代行サービスのメリットは以下の記事でも解説していますので、ぜひごらんください。
業務全体の可視化がしやすい
発送代行サービスを介して、一連の業務が可視化しやすくなることもメリットです。自社で在庫管理業務をおこなうと、各商品における需給バランスやどれくらいの費用が発生しているのかをデータ化するのに時間がかかります。
発送代行サービスを活用すれば、在庫データの詳細も報告してもらえるため、自社での負担軽減につながります。また、発送業務全体が可視化され、経営の安定化にも生かせるでしょう。
在庫スペースの確保が必要なくなる
自社で発送業務をおこなう場合には、商品を保管する在庫スペースを確保しなければなりません。また、今後の売上アップを狙って在庫数を増やすとなると、さらなるスペースが必要です。
発送代行サービスを利用することで、自社で在庫を保管する必要がなくなり、従来の在庫スペースをほかの用途に生かせます。固定費が削減されるため、全体的なコストバランス改善にもつながります。
物流業務の改善に悩まれている方には、以下の記事もおすすめです。
物流経費が変動費になる
5つ目のメリットは、物流経費が変動費になる点です。自社で発送業務を行う場合、繁忙期・閑散期に関わらず固定の物流コストが発生し続けます。
一方で発送代行サービスでは、イベントが多い時期・少ない時期に合わせて人員数を増減し、コストを変動費にできます。また、売上が比較的出にくい時期におけるコストの削減にも生かせます。
物流経費の削減については以下の記事でも解説していますので、ぜひごらんください。
>>輸送コストとは|高騰の要因や輸送コスト削減のポイントを解説
発送代行サービスを利用する際のデメリット
発送代行サービスは、事業者にとってメリットが多い一方で、注意点も把握しておく必要があります。以下のポイントを押さえながら、どのようにして運用すべきかを解説していきます。
・物流業務全般のノウハウを蓄積しにくい
・個人情報漏えいに気を付ける
・フレキシブルな対応がしにくくなる
物流業務全般のノウハウを蓄積しにくい
発送代行サービスを利用することで、物流業務全般のノウハウを蓄積しにくくなる可能性があります。仮に、発送代行サービスから自社に切り替える場合、ノウハウが蓄積されておらず、ミスやトラブルが発生しやすくなるでしょう。
将来的に、自社で物流業務をおこなう可能性がある場合には、一部の業務を委託するだけにとどめる方法もあります。ノウハウを少しずつ蓄積させていき、会社の規模が大きくなり、コストが安定したときに、自社で物流業務もおこなうようにしましょう。
個人情報漏えいに気を付ける
次に、個人情報の漏えいに注意しましょう。物流業務では、お客様の氏名・住所、電話番号といった個人情報を取り扱うため、少なからず個人情報漏えいのリスクが存在します。
発送代行サービスによる個人情報の取り扱いが原因であっても、自社の信用を落としてしまう可能性があります。そこで、発送代行サービスを選ぶときに念入りに比較した上で、導入時に個人情報の取り扱いについて相談しましょう。
フレキシブルな対応がしにくくなる
発送代行サービスを利用すると、フレキシブルな対応が難しくなることがあります。具体的には、「追加で購入した商品と同梱させたい」「発送日時を変更したい」といったお客様からの要望に対して、柔軟な対応がしにくくなるのです。
上記の点に対応するためにも、発送代行サービスと発送に関する細かい部分をサービス会社に相談し、調整しましょう。
発送代行サービスの価格相場
最後に、発送代行サービスの価格相場について解説します。以下の5つの費用に関して、どれくらいの相場なのか確認してみてください。
・サービス基本料金
・入庫費用
・倉庫費用
・梱包費用
・配送費用
サービス基本料金
基本費用は、発送代行サービスの固定費となる料金です。価格相場としては、1件当たり3万円程度といわれています。
また、発送する商品が多い場合には料金が割り増しされ、5万円以上の料金がかかることもあります。基本料金の中身についてしっかりと確認しましょう。
入庫費用
入庫費用は、発送代行サービスにおける変動費の部分です。商品が倉庫に到着したときの検品業務や、商品を倉庫へと運ぶ入庫業務などの料金が含まれます。
入庫費用の料金相場は、箱で入庫する際には1箱で30〜150円ほど、商品単品の場合には1商品につき10〜30円とされています。
倉庫費用
倉庫費用は、基本料金同様に固定費の一つです。倉庫を利用するときの料金で、1坪、1パレット、1ラックといった単位で料金が異なります。
料金相場はおおよそ4,000〜7,000円です。ただし、首都圏や都市部に近いと料金が高くなりやすい傾向がある点に注意しましょう。
倉庫費用の相場や費用を抑えるポイントについては以下の記事でくわしく解説しています。倉庫費用についてさらに知りたい方はぜひごらんください。
>>物流倉庫の利用にかかる費用の相場は? 地域別相場や費用を抑えるポイントも併せて解説。
梱包費用
梱包費用は、倉庫でピッキングした商品を梱包する費用です。商品のサイズや状態に合わせて梱包し、発送するまでの業務となります。
梱包費用の料金相場は、150〜300円ほどです。ただし、梱包方法によって料金が高くなる場合があります。
配送費用
配送費用は、発送代行サービスを介して運送業者に支払われる費用です。発送料金の相場は、60サイズ1個で400円ほど、120サイズを超えると600円ほどまで上がります。
まとめ
発送代行サービスの導入を検討している企業担当者の方は、物流代行サービスの「スゴロジ」をご検討ください。お客様のもとに早く、正確に商品を発送するために、物流業務をワンストップで提供しています。
また、物流ラインのデジタル化による効率的かつ高品質な業務を実現しており、人手不足の解消にもつながります。丁寧なヒアリングをおこない、お客様の課題解決に向けて最適なサービスを提案します。