自治体担当者必見!民間企業に委託できる業務一覧と例を紹介
自治体の事務局業務は量が多く、人手や時間が足りないと悩んでいる担当者の方もいるのではないでしょうか。自治体事務局業務には、民間企業に委託できる業務もあり、業務委託や指定管理者制度を利用して成功した例があります。
本記事では、民間企業に委託できる業務例をご紹介します。
目次
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ワクチン・予防接種関連業務
- マイナンバー関連業務
- 申請書・申告書の受付審査関連
- 申請書の発送・受付・審査等を含む事務局業務
- プレミアム付商品券の発行・審査・販売・換金等の業務
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臨時特別給付金等業務
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住まい再建支援事業助成金受付業務
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扶養親族等申告書事務支援業務
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低所得者向け現金給付制度の関連業務
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窓口業務
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代表電話コールセンター設置および運営業務
- 自動車税コールセンター運営等業務
- 労働保険の年度更新に係るコールセンター業務
- 原子力災害からの環境の再生に係るコールセンター業務
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個人型確定拠出年金の調査に係るコールセンター業務
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子育て関連業務
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ひとり親家庭等在宅就業支援事業業務
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幼児教育無償化に係る支給業務
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子ども・子育て支援認定に係る現況確認および収納業務
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PR関連業務
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ブランド農産物PR動画に係る動画広告およびWeb配信業務
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観光支援のための割引付旅行プラン助成制度
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システム導入関連業務
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AIチャットボットシステム構築・運用保守業務
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テレワーク導入支援業務
- 文書管理システムの導入支援業務
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まとめ
ワクチン・予防接種関連業務
大規模な接種会場の運営業務・予約受付などのワクチン接種関連で民間企業に業務委託できる例を紹介します。
業務委託例は、以下の通りです。
・受付業務
・接種記録の管理
・民間の看護師の派遣
・コールセンター業務
・集団接種会場の設営
・巡回接種の運営
記憶に新しいコロナ禍においては大人数のワクチン接種を短期間で終わらせなければならなかったため、多くの自治体が民間企業に委託しました。
またコロナの集団接種以外にも今後、インフルエンザやはしか、自費負担での個別接種などの対応も委託が可能です。
マイナンバー関連業務
マイナンバーカード普及を目指す自治体は、マイナンバー関連業務を民間企業に業務委託できる例を紹介します。
業務委託例は、以下の通りです。
・自治体役所以外の出張窓口サポート
・コールセンターの運営
・自治体窓口での対面サポート
・交付通知書の関連業務
・カードの移送作業
対面での本人確認をはじめ、一部業務は自治体が行うよう定められています。自治体と民間企業が協力して業務を遂行できるような仕組み作りが重要です。
申請書・申告書の受付審査関連
この章では、申請書や申告書の受付審査関連で民間企業に業務委託できる例を紹介します。
申請書の発送・受付・審査等を含む事務局業務
申請書に関連する業務の多くは、民間企業への委託が可能です。
業務委託例は、以下の通りです。
・児童手当に関連する業務
・地方税法関係の業務
・国民健康保険関係の事務局業務
内閣府は自治体の適切な管理のもとで、民間企業へ申請業務の委託を実施するよう通知しています。申請書に関連した業務を民間に委託することで、スピーディーな対応ができ、よりよい市民サービスを期待できます。
プレミアム付商品券の発行・審査・販売・換金等の業務
プレミアム付商品券の発行から運営までを、民間企業に委託する自治体も増えてきました。例えば、民間企業には短期間で取り扱い店舗を募集し、利用促進を促すノウハウがあります。
業務委託例は、以下の通りです。
・事務局の立ち上げ
・商品券のデザイン・印刷
・デジタル商品券のシステム構築
・広報活動
・店舗の募集
・受付販売
・後処理(店舗への換金業務など)
自治体職員では対応が難しい業務を、スキルのある民間企業に委託することで、円滑に事業を実施できます。
臨時特別給付金等業務
臨時特別給付金等業務は短期間で事務局を立ち上げる必要があり、自治体だけでは対応が難しい場合があります。
業務委託例は、以下の通りです。
・コールセンターの設置や運営
・申請書様式の作成
・申請書の印刷・発送業務
・申請の受付
・審査
・振り込みに関連する事務局業務
また、窓口業務・広報も民間企業へ委託が可能です。要領を知っている民間企業に委託することで、立ち上げまでにかかる時間を短縮できます。
住まい再建支援事業助成金受付業務
住まい再建支援事業助成金受付業務は、大規模な自然災害が発生した際に必要となる業務です。市民の生活再建に向けた迅速な対応が求められます。自治体だけで対応が難しいと判断された場合、民間企業に委託する例も増えています。
委託できる業務は、コールセンター運営や申請書類の受付業務などです。住まいに関わる問題は急いで対応しなければなりません。実際に、民間企業と連携した結果、素早く対応できた事例も存在します。
扶養親族等申告書事務支援業務
扶養親族等申告書事務支援業務を民間企業に委託することで、遅れのない確実な処理を目指せます。
業務委託例は、以下の通りです。
・入力した帳簿の点検
・申告書の確認や整理業務
・事務文書の作成業務
・他の業務遂行者の管理業務
業務を委託する際は、データの保護や秘密の保持などにミスのないように、綿密な打ち合わせをおすすめします。
低所得者向け現金給付制度の関連業務
低所得者向け現金給付制度の関連業務は、社会情勢を踏まえて実施が決まります。短期間での準備が求められるため、民間企業の活用が求められます。
業務委託例は、以下の通りです。
・コールセンターの設置や運営
・申請書様式の作成
・申請書の印刷・発送業務
・申請の受付
・審査
・振り込みに関連する事務局業務
短期間で実施の求められる業務が発生したときは、経験豊富な民間企業に委託することで、素早い給付が実現できるでしょう。
窓口業務
この章は、窓口に関連して業務を民間企業に委託できる例を紹介します。
代表電話コールセンター設置および運営業務
代表電話は住民対応の窓口であり、質の高い応対が求められます。しかし、自治体職員の人員不足が進み、職員だけでの応対が難しいかもしれません。
そのため、代表電話コールセンター設置や運営業務を民間企業に委託する自治体が増えています。この委託は、地域の雇用にもつながり、地域経済に大きなメリットを与えるでしょう。
自動車税コールセンター運営等業務
効率的な滞納整理事務を目指す自治体は、自動車税コールセンター運営等業務を民間委託に委託しています。民間企業は自動車税の滞納者に対して自主納付の呼びかけで電話をかけたり、問い合わせに対応したりします。
これにより、自動車税事務局の負担を減らせるでしょう。
労働保険の年度更新に係るコールセンター業務
労働保険の年度更新に係るコールセンター業務を民間企業へ委託することで、自治体への問い合わせが減ります。職員が本来の業務に集中できる環境が作り出されるでしょう。
厚生労働省はコールセンター業務を中心に、申告書の審査や電話督励なども民間企業に委託しています。
労働保険の年度更新に係る業務は、毎年期間限定で設置されます。民間企業を上手く利用して効率的に業務を進められます。
原子力災害からの環境の再生に係るコールセンター業務
原子力災害からの環境の再生に係るコールセンター業務は、民間企業に業務を委託している実績があります。原子力災害は目には見えない放射性物質や放射線により起こるため、不安に感じる住民も少なくありません。
経験のある民間企業に委託すれば、問い合わせに対して適切な対応をしてもらえるでしょう。
個人型確定拠出年金の調査に係るコールセンター業務
個人型確定拠出年金の調査に係るコールセンター業務は、民間企業に相談事項の受付を委託しています。
民間企業に委託すると、コールセンターに対応できる人数を増やせます。その結果、加入を考えている人と現在加入中の人への対応を分けられるようになり、円滑な対応が可能です。
子育て関連業務
この章からは、子育て関連で民間企業に委託できる例を紹介します。
ひとり親家庭等在宅就業支援事業業務
ひとり親家庭等在宅就業支援事業業務の委託は、都道府県や市町村が民間企業に委託可能な業務です。
ひとり親世帯の生活を豊かにするために、以下のような業務を委託できます。
・スキルアップの支援
・業務が円滑に進むようなサポートの実施
・ひとり親に仕事を発注する企業の開拓
ひとり親は、子育てと仕事を両立しています。そういった方々を確実にサポートするには、民間企業への委託や提携は欠かせないでしょう。
幼児教育無償化に係る支給業務
幼児教育無償化に係る支給業務は、申請受付から電話対応までをまとめて民間企業に委託する自治体が増えています。
業務委託例は、以下の通りです。
・申請書の受付から審査
・申請内容のシステム入力
・書類に問題があったときの対応
・電話対応
業務に関しては、自治体が支給するシステムを使用してもらいます。前もって、民間企業と自治体の間で使用時間や利用方法の打ち合わせが必要です。
子ども・子育て支援認定に係る現況確認および収納業務
子ども・子育て支援認定に係る現況確認および収納業務は、定期的な事務作業がほとんどであり、民間企業に業務委託している自治体が多い業務です。
業務委託例は、以下の通りです。
・施設等利用給付認定業務の管理
・施設等利用費償還業務
・一時預かりのデータの確認など
子育て支援認定の基準は、自治体によって異なります。民間企業に委託する際は、必要に応じて研修を行いましょう。
PR関連業務
この章では、PR関連業務における民間企業への委託例を紹介します。
ブランド農産物PR動画に係る動画広告およびWeb配信業務
ブランド農産物PR動画に係る動画広告およびWeb配信業務は、ITやプロモーションに詳しい民間企業に委託すると効果的です。
以下のような業務が、委託に向いています。
・インターネット上の情報発信
・PR記事や動画の作成
・アクセス数の実績報告
実績や経験のある民間企業に委託することで、地域における農作物の売上に貢献できます。
観光支援のための割引付旅行プラン助成制度
観光支援のための割引付旅行プラン助成制度に関連して、事業内容の周知を民間企業に業務委託した自治体は多くいます。
業務委託例は、以下の通りです。
・関係各所への通知
・説明会の実施
・専用サイトの設置や運営
・コールセンターの設置
・広告の掲載
事業の成功には住民や民間企業への周知が大切です。確実な周知と対応をしてもらえる民間企業を選びましょう。
システム導入関連業務
この章では、システム導入関連業務を紹介します。
AIチャットボットシステム構築・運用保守業務
AIチャットボットシステム構築や、運用保守にかかわる業務を民間企業に委託することで、オンラインでの問い合わせに対応できます。AIチャットボットは専門知識が必要であり、自治体だけでは対応が難しい分野です。専門の民間企業に委託しましょう。
導入後はAIチャットボットが職員の代わりに住民の問い合わせに応じます。この委託により、住民サービスの向上だけでなく、職員が本来の業務に集中できます。
テレワーク導入支援業務
テレワーク導入支援業務は、自治体職員の働き方改革にもつながる問題です。多くの自治体でテレワークの導入が不十分であり、仮に導入したとしてもセキュリティ面に不安が生じます。
テレワーク導入支援を民間企業に委託すると、以下のようなサポートを受けられます。
・機器導入のアドバイス
・費用の相談
・テレワークの導入手順の説明
・セキュリティ対策
多様な働き方を目指したい自治体は、専門の民間企業に相談してみましょう。
文書管理システムの導入支援業務
文書管理システムの導入支援業務の民間企業への委託で、業務の効率化を図れます。
以下の業務を、民間企業に委託できます。
・文書管理システムの導入
・文書管理の環境効率
・職員に対するシステムの操作研修
文書の新規登録や廃棄に必要以上に労力をかけている自治体は、民間企業への委託を検討してみましょう。
まとめ
今回は、民間企業に委託できる業務を紹介しました。民間企業のノウハウを活かすことで、住民サービスの向上や職員の負担軽減につなげられます。
業務の効率化を図りたいときは、紹介した例を参考に民間企業に業務を委託してみましょう。