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アパレル業界でWEB接客ツールを取り入れるメリット|成功のポイントも紹介

2024.07.09

現在、さまざまな業界でWEB接客ツールが活用されています。コロナ禍以降は、WEB接客を積極的に採用する企業も増えました。今回は、アパレル業界におけるWEB接客の特徴やメリットをはじめ、成功させるポイントについてご紹介します。


WEB接客とは

WEB接客とは、WEBサイト上で接客することです。「WEB接客」「オンライン接客」「デジタル接客」など、インターネット上での接客手法にはさまざまな言葉が存在しますが、用語が混同され、厳密な区別が難しい場合もあります。こちらでは、WEB接客が注目されている背景やほかの接客との違いについてご紹介します。

WEB接客が注目されている背景

2020年の新型コロナウイルスの流行以降、生活様式は大きく変化しました。アパレル業界も例外ではなく、営業時間の短縮や対面接客の自粛などが行われ、新しい状況に適応せざるを得ませんでした。

このような状況下で、消費者はECサイト・通販を通じての買い物を増やしました。アパレル業界においてもECサイトや通販の伸び率は顕著で、WEB接客が急速に成長しています。多くのメリットが明らかになっているため、今後もWEB接客の需要は高まる見込みです。アパレルメーカー各社は将来を見据え、積極的にオンライン接客ツールの導入や販売員の育成に取り組んでいます。

オンライン接客とデジタル接客との違い

「WEB接客」「オンライン接客」「デジタル接客」などの用語には、明確な区別があるわけではありません。

インターネットでの接客を表現する言葉として、以前は「オンライン接客」という用語が使われていましたが、今は「WEB接客」が主流です。「オンライン接客」は、現在リアルタイムでのビデオや音声によるコミュニケーションを指す「Zoom接客」のようなニュアンスで使われることが多いようです。

一方で、「デジタル接客」はより広い意味で使われており、手法も多岐にわたります。例えば、Zoomを活用したリアルタイムな対話、チャットボットを介した自動応答、人の手によるチャット対応なども総じて「デジタル接客」と言われます。

なお、「オンライン接客」や「デジタル接客」の手法でも「WEB接客」と自称される場合もあり、必ずしも明確に区別されて使われていない点に注意が必要です。

チャットボット・ライブコマースとの違い

チャットボットとライブコマースは、どちらもインターネットで接客しますが、その特性と目的は異なります。

チャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオやテンプレートに基づいて、自動的に対話を行うプログラムです。FAQへの回答やサポートリンクへの提供が得意で、カスタマーセンターの問い合わせを減少させる効果があります。しかし、顧客の好みや悩みを把握し、商品を総合的に提案することは難しく、個別の価値を提供するのは難しいというデメリットがあります。

ライブコマースは、商品をライブ動画で紹介しながら、広範な視聴者にアプローチする販売手法です。テレビ通販に似ており、多くの人に情報を提供できる魅力があります。

WEBを使った戦略は、自社の商品特性や顧客層に応じて、これらの手法から最適なアプローチを選ぶことが重要です。

アパレル業界でWEB接客を行うメリット

アパレル業界がWEB接客を行うメリットはたくさんありますが、主に以下のようなメリットが考えられます。

顧客単価の向上

WEB接客では、販売員が商品を紹介しつつ、接客やコーディネートの提案ができます。例えば、Tシャツ購入を考えている顧客に対し、カーディガンやジャケットなどのアイテムを合わせ提案することで、購入意欲を高め、顧客単価を向上させることが狙えます。

多くのECサイトには、アクセス履歴などを活用して関心のある商品を提案する「レコメンド機能」が備わっています。しかし、実際にアイテムを組み合わせてみないと、購買意欲を刺激するのは難しいケースもあるでしょう。WEB接客はリアル店舗と同じような顧客体験を提供することができるため、顧客が購入しようとしているものと別の商品を提案して購入を検討してもらう「クロスセル」で顧客の購買単価を向上させることが可能です。

コンバージョン率の向上

ECサイトでのショッピングカート離脱は、多くの場合、最終的な購入に対する不安や疑念が影響しています。「初めて購入するブランドである」「アイテムが高額」「自分に似合うかどうか不安」など、顧客が踏み切れない理由は多岐にわたります。WEB接客サービスでは、顧客は写真やテキストだけではわからない商品の色や質感の説明を詳しく聞き、プロのアドバイスを求めることも可能です。リアルタイムで質問できるため、疑念や不安を解消できます。これにより、WEB接客はサイトの離脱率を減らすだけでなく、成約率やコンバージョン率の向上にも貢献します。

リピーターの増加

Zoomなどのオンラインツールを活用した接客は、店舗での接客と比べて、1対1の専用空間でのサービスが提供されるため、顧客に特別感を与えやすいです。このようなパーソナライズされた接客は、顧客満足度やブランドロイヤリティの向上に大いに貢献します。オンライン環境でも顔を付き合わせて顧客をもてなすことで、ブランドファンを増やし、リピート率を向上させられます。

顧客データの蓄積

・WEB接客を通じて顧客のデータを収集できる
・顧客が自らECサイトに入力する個人情報以外に、好みの色や好きなブランドなどのデータを入手できる可能性がある
・入手したデータをもとに、より細やかな顧客対応が可能になる

接客効率の向上

WEB接客を活用することで、リアル店舗の既存のスタッフを活用して、店を訪れる顧客だけではなく、全国の顧客に向けたサービスを提供することも可能です。リアル店舗の接客の合間や訪問客が少ない時間帯にWEB接客することで、人材の配置がより効率的になります。

ECサイト利用のハードル低下

・ECサイトは時間・場所を選ばず訪問できるため利用のハードルが低い一方、店員の意見が聞けない、商品を直接確認できないなどの面が避けられる要因になる
・WEB接客の採用により、対人接客に近い対応が可能になり疑問点や不安点をすぐに解消できる

出店コストの削減

従来、事業拡大のためには新しい地域での店舗出店が必要で、それには大きな投資とリスクが伴っていました。しかし、WEB接客を用いることで、全国レベルでの販売が可能になります。

またWEB接客は、テストマーケティングにも役立ちます。小規模なオフィスと簡易なスタジオを備えれば、バーチャルストアを簡単にオープンできます。主要な実店舗に集中しながらも、WEB接客を通じて全国の顧客にもサービスを提供する戦略も効果的と言えるでしょう。

WEB接客で成果を出しやすいブランド

WEB接客は全ての企業やブランドで成功するわけではありません。アパレル業界において、WEB接客で成果を出しやすいブランドの特徴について、ご紹介します。

接客のノウハウが確立されている

WEB接客で成功するためには、接客スキルやパフォーマンス力の向上、顧客への丁寧な対応が必要です。リアル店舗で培った接客ノウハウをWEB接客にも活用することで、集客力やECサイト売上の向上につながります。

複数ブランド、アイテムを扱っている

アパレル業界においてWEB接客が成功する要素として、パーソナルスタイリングがあります。パーソナルスタイリングとは、従業員などのパーソナルスタイリストが、顧客に合うカラーやコーディネートを提案してくれるサービスです。複数のブランドや多様なアイテムを扱っているショップでは、ブランドを超えた多角的な提案もできるでしょう。アイテム数やブランド数が豊富であれば、クロスセルの成功も期待できます。

商材単価が高い

ECサイト上で高額商品を扱っている場合、WEB接客で実物を見せながら案内することで安心感を与え、購入してもらいやすくなります。丁寧な接客ができるため、顧客側も疑問や不安を解消しやすい点がメリットです。店舗と同じように丁寧な接客ができ、1対1という特別感を得られるため、上顧客やハイブランド向けのサービスにも向いています。

オーダーメイドを行っている

オーダーメイド商品の相談や打ち合わせでWEB接客を活用すると、顧客は店舗への訪問回数を削減でき、サービスの利便性が向上します。商品に関する疑問や要望をプロにオンライン相談することで、詳細なやりとりがスムーズに行えるメリットがあります。

WEB接客を成功させるポイント

実際にWEB接客すると、対面接客と異なる点が多く、戸惑うケースも多いでしょう。そこで、ここではWEB接客の注意点や成功のポイントをご紹介します。

使いやすいツールを選ぶ

WEB接客のために利用可能なツールは多数存在しますが、スタッフのITリテラシーに左右されることがあります。スタッフがツールを適切に使えない場合、通信トラブルや予期せぬ状況に対処できないことがあり、顧客への円滑な対応が難しくなるでしょう。導入するアプリやツールのサポート環境を事前に確認することは重要です。ツールを導入する際は、コストを考慮しつつも、自社のITリテラシーやニーズに合った機能を慎重に検討する必要があります。

顧客のデータを把握する

・WEB接客は対人接客に比べ、顧客の小さな反応が読み取りにくい。
・顧客のデータを有効活用し、好みの種品やコーディネイトをより的確に提案する必要がある
・店員が一方的に話すケースが多いため、セールストークのシナリオ化も必要

通信環境から整備する

WEB接客は、通信環境の影響を受けやすいのが難点です。電波の弱い場所では、音声や映像が途絶えたり、突然切断されたりすることがあります。ライブ配信やビデオ通話を円滑に行うためには、通信環境に十分な配慮が必要です。

スタッフがWEB接客のスキルを身につける

WEB接客を成功させるには、スタッフが接客スキルを身につけておかなければなりません。WEB接客は、対面接客よりも時間が長く感じられる傾向があるため、スタッフは要点を簡潔に伝えるスキルが必要になります。顧客が注意力を保っているあいだに、自社の商品やサービスを完結に説明して理解させ、疑念を解消させる必要があります。

また、WEB接客では、商品を実際に手に取れないため、商品をよく見てもらえるような工夫が必要です。例えば、商品の色を鮮明に伝えるための照明を用意したり、商品を360度確認できるように撮影角度を変えたりするとよいでしょう。

さらに、WEB接客は、対面接客より相手の理解度を確認するのが難しくなります。顧客の反応に敏感になり、微細な仕草や表情の変化に気を配ることが重要です。会話の中で「何か質問がありますか?」や「疑問点はございますか?」などの質問を積極的に投げかけることで、顧客の不安を解消しやすくなります。

PDCAサイクルを回す

・WEB接客の効果検証、内容や方法の改善を定期的に行う
・購入に結びついた割合や顧客満足度に関するアンケート結果などのデータを活用する
・比較テストを行いWEB接客の効果を測定する

アパレル業界におけるWEB接客の導入例

全国的なファッションブランドの例

・全国にショップがある著名なファッションブランドでは、フラグシップ店でのショッピングがオンラインで可能

・ショップのスタイリストにビデオ通話でコーディネートを相談できる

大手百貨店の例

・ある大手百貨店ではLINEによる問い合わせ受付とビデオ通話によるリモートショッピングを取り入れている
・購入した商品は配送、店頭受け取り、取り置き確認が可能

女性向けファッションブランドの例

・ある女性向けファッションブランドでは、公式ECサイトでファッションアドバイザーによるチャット接客を提供している
・接客時間の予約から接客までECサイト上で完結する

アパレルを含む他業種を展開している企業の例

・アパレルのみならず飲食やインテリアも手掛けるある企業では、商品やコーディネートに関する悩みをチャットで受け付けている
・ファッションアドバイザーが対応する時間は決まっているが、時間外でもチャットを送っておけば翌日以降に対応してもらえる

複数のブランドを展開している企業の例

・数多くのファッションブランドを展開しているある企業では、店頭スタッフがそれぞれ個人でInstagramから発信を行っている
・商品の説明や着回しを動画で紹介
・LIVE配信も行っている

NTMが提供できるサービス

WEB接客のメリットや成功のポイントについてここまで説明してきましたが、これらを具現化するツールも存在します。最後に、弊社NTMが提供するWEB接客サービス「OMOTE(オモテ)」について、ご紹介します。

「OMOTE」

OMOTEは、ECサイトを訪れた顧客に対して店舗同様の購買体験を提供するWEB接客サービスです。多くのECサイトの運営担当者は、下記のような課題を抱えています。
ECサイト上でも店頭と同じように接客したいけれど、導入しているチャットツールを上手く使いこなせない
ECサイトのスタッフ強化に着手したい
ナレッジやノウハウを蓄積できない
OMOTEはこれらの問題を解決するために、ECサイトのユーザーの視覚情報である「UI」や顧客体験である「UX」改善に係る企画・提案、ツールの導入や運用に係る支援まで、幅広い支援を提供しています。

OMOTEとは、WEB接客ツールの選定から設備の提供、運用のサポートまで行うWEB接客のトータル支援サービスです。

店舗や商品にあったツール選択からWEB接客の経験が豊富なスタッフの配置、さらにはノウハウの提供から店舗独自のナレッジの蓄積まで、WEB接客に関するあらゆる悩みに応えます。

WEB接客の質向上は、売上や顧客ロイヤルティの向上につながります。WEB接客にお悩みであれば、専用フォームからお問い合わせください。

オンライン接客に関するよくある質問

オンライン接客を始めるにはどのようにすればよいですか

・準備物や始めるための手順
・オンライン接客に使えるツールについても紹介

オンライン接客の課題点はなんですか

・導入に手間がかかる、費用がかかる
・店舗と同じか、それ以上の丁寧な接客が必要
・人手も必要

まとめ

コロナ禍により、WEB接客を導入するアパレル企業は増えました。WEB接客ツールを使ったWEB接客にはさまざまなメリットがあることがわかり、これからも需要は伸びていくでしょう。しかし、どの企業でも成果が出せるわけではありません。今回は、WEB接客のコツや注意点、NTMのサービスについてもご紹介したので、ぜひ参考にしてください。


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