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ECサイトの作り方 構築方法を選ぶポイントと売れるデザインについて

2023.03.31

近年、ECサイトを利用する顧客が増えたため、ECサイトの構築に挑戦してみたいと思われる方は多いでしょう。しかし、ECサイトの作り方には様々なものがあるため、特徴や違いをしっかり理解しておく必要があります。さらに、ECサイトで成果を出すためには、デザインにも気を配らなければなりません。今回は、ECサイトの作り方の種類やデザインのコツ、ECサイトを作る際に検討すべきポイントについてくわしく解説していきます。


ECサイトには様々な作り方がある

ECサイトを作りたいけれど、どのように作ったら良いのかわからないという方は多いです。ひと昔前までは、ECサイトを作るには高い技術力と費用が必要でした。しかし現在では、以下のように構築方法が多様化しています。ASPのようにほとんど無料で構築可能なものもあれば、オープンソースのように無料で登録し、カスタマイズできるものもあります。

構築方法 初期費用 月額費用 カスタマイズ
ASP(無料) 不要 不要(手数料は除く) ×
ASP(有料) 必要 必要 ×
オープンソース 不要(制作費は除く) 必要
パッケージ 必要 必要
クラウドEC 必要 必要 〇(制限有)
フルスクラッチ 必要 必要

個人と企業のECサイトの違い

構築方法が多様化したことから、現在は個人でも手軽にECサイトを作れるようになっています。比較的リーズナブルな費用で、自分で独立したショップを構えられます。ただし、個人の場合は、人材の規模やかけられる予算によって選択できる構築方法も限られることがあります。

例えばASPやオープンソースは、比較的費用も安く、リソースも少なくて済みます。そのため個人で利用しやすいですが、自由にカスタマイズできません。一方でカスタマイズ可能ないくつかの構築方法は、ある程度の技術や費用も必要になります。

企業の場合、思うとおりのデザインや操作性を実現するサイトを目指したいときはフルスクラッチが理想的です。

フルスクラッチとは、何もない段階からプログラミングを行ってECサイトを構築する手法です。パッケージなどの既存サービスを利用しないため、自由な構築が可能です。ただし、大規模なサイトを始めから構築するため、開発期間がかかり初期費用や保守・運用費用などもかかります。

個人でも企業でも、ある程度カスタマイズをしたいけれど費用に余裕がないときは、クラウドECやパッケージを利用するのがおすすめです。

クラウドECは、クラウド上のプラットフォームを利用してECサイトを構築できるサービスです。必要なサービスだけを利用できるため、ソフトウェアやインフラを持つ必要がないメリットがあります。

個人のECサイトを作る場合

個人のECサイトは一般的にかけられる費用が限られるため、初期費用がかからない無料ASPやオープンソースがおすすめです。ASPとは、アプリケーションをネットワークを通じて提供するサービスを指します。業務に必要な機能を選んで利用できます。ECサイト向けのASPには、カート機能や決済、配送など、EC業務を行うために必要な機能が初期設定で備わっており、ECサイトを開設する際に手間が省けます。無料ASPは、決済手数料などがかかるケースがありますが、基本的には無料です。オープンソースとは、ECシステムの内部構造が公開されたもので、誰でもプログラムの知識があればECサイトを費用をかけずに構築できる方法です。自由にカスタマイズができ、機能に制約がないのが特徴です。ただし、プログラムやセキュリティに関する知識が必要です。個人のECサイトを作るときに、技術力があればオープンソースがおすすめですが、知識が少ない場合は無料ASPから始めるのが良いでしょう。

企業のECサイトを作る場合

企業のECサイトを作る場合は、ビジネス規模・開発予算・運営体制などに応じて、以下のような構築方法から適切なものを選ぶことが大切です。

・有料ASP
・オープンソース
・クラウドEC
・フルスクラッチ

有料ASPは無料版に比べて費用はかかりますが、機能面やサポート面が優れています。外部ツールとの連携機能もあり、時流に応じたサービスを提供できるのも利点です。ただし、ASPは基本的にカスタマイズできないため、売上が伸びれば拡張性の高い構築方法への乗り換えが必要になります。オープンソースは、個人で利用するときと同様、プログラムやセキュリティに関する知識があれば、比較的コストがかかりません。クラウドECは、拡張性や機能性が充実しており、カスタマイズ性の高さを活かしたい場合におすすめです。完全に自由な設計ができるフルスクラッチは、高い技術力をはじめ人的なコストや時間も必要です。時間や資金に余裕がある場合は、検討してみるとよいでしょう。

ECサイトの構築から運用にかかる費用相場

ECサイトの構築や月額費用は構築方法によって異なります。あくまでも目安ですが、一般的な費用相場は以下のとおりです。

構築方法 初期費用 月額費用
ASP(無料) 0円 0円(手数料は除く)
ASP(有料) ~10万円 ~10万円
オープンソース 0円(制作費は除く) 10万円~
パッケージ 500万円~ 10万円~
クラウドEC 300万円~ 10万円~
フルスクラッチ 数千万円~ 数十万円~

ECサイトを運営するうえでは、以下のような費用も発生します。

・システム利用料
・サービス利用料
・販売手数料
・決済手数料
・振込手数料
・支払い手数料
・アフィリエイト広告手数料
・オプション利用料

サービスを提供する業者によって内容が異なるため、上記の全てがかかるわけではありません。

ECサイトで成果がでるデザインとは?

ECサイトは実店舗と異なり、顧客が実際に足を運んで商品を選んだり、手に取ったりすることができません。そのため、売れるECサイトにするためには、以下のようなポイントを押さえ、デザインにこだわる必要があります。

ユーザーにとって見やすい

どんなに商品が素晴らしくおしゃれなECサイトでも、ユーザーが見にくいと感じれば、早々に離脱されてしまうでしょう。以下のようなサイトは「使いにくい」と判断されやすいので、注意が必要です。

・探している情報がどこにあるかわからない
・商品が探しにくい
・文字が読みにくい・薄い・小さい

ユーザーにとって「見やすいサイト」とは、一度見ただけで情報がすっと入ってくるサイトで、下記のような特徴があります。

・情報がまとめてカテゴリ分けされている
・行間や余白が十分に取れている
・ボタンがわかりやすく押しやすい
・情報が目に入りやすい
・商品を探しやすい
・スマホでも見やすい

導線がわかりやすい

導線とは、サイトを訪問したユーザーを最終的なゴールまで導く道順です。ユーザーにとって動きやすい導線をサイト側が予測し、最短でゴールに辿り着けるようにすることがポイントです。最初は完璧ではないため、予測をもとに設計し、ユーザーが不便な場合は修正する必要があります。最も重要なのは、ユーザー目線で導線を考えることです。売りたい商品を単に目立たせるだけでは、ユーザー目線とはいえません。サイトのターゲットはどのような人なのか考え、ターゲットがどのように行動するかを予測しましょう。とくにトップページのデザインは、ユーザーがサイトを信頼するかどうかに大きな影響を与えます。そのため、以下のような点に注意して設計することをおすすめします。ユーザーがサイト内で迷ってしまっても、とりあえずトップページに戻ることができれば、戸惑うケースも少なくなるでしょう。

・トップページから各ページにスムーズに移動できるか
・ボタンの配置は良いか
・リンクは目立っているか
・画像とテキストのバランスは良いか
・サイト内のどこからでもトップページに簡単に戻れるか

商品のコンセプトを視覚的に訴求する

ECサイトでは、商品のイメージを強く訴求するために、商品コンセプトを視覚的に訴求する必要があります。例えば、10代向けならポップで明るいデザイン、高額商品ならラグジュアリーなデザインなど商品のコンセプトに合わせた世界観を作ることが重要です。例えば、シンプルかつリッチな大人のイメージがある商品に対して「激安!」などのバナーを掲載すると、ブランドの世界観やコンセプトが崩れてしまうでしょう。商品と視覚的なトーンが揃わないと、世界観が崩れるだけでなく「このECサイトは大丈夫なのだろうか」という心配をユーザーに与え、信頼を失ってしまいます。商品コンセプトを視覚的に訴求するためには、掲載するテキスト・画像・動画のトーンやマナーを揃える一定のルール(ガイドライン)を作っておきましょう。コンセプトが伝わればユーザーに「こだわっている店」という印象を与えられ、購入やリピートにつながるはずです。

ECサイトを作る際に検討すべき5つのポイント

ECサイトを作るにあたっては、事前にチェックしておくべき多くの項目があります。内容を確認しないまま進めてしまうと「こんなはずではなかった」という事態を招いてしまうでしょう。こちらでは、事前に検討すべき5つのポイントをご紹介します。

サービス形態を複数比較する

ECサイトの構築方法はいくつかあり、個人や企業によって向き・不向きがあります。費用・必要な技術・機能・セキュリティなどをピックアップし、いくつかのサービス形態を比較検討してみましょう。検討する際は、何を優先したいのかを明確にしておくと選びやすくなります。

維持できる費用か

ECサイトのプラットフォームには「初期費用」「月額費用」「運用費用」がかかります。アイテム数によっては「追加費用」がかかるケースもあります。長い目で見て維持できる費用かどうかに注意し、プラットフォームを決定しましょう。無料ASPを選んだ場合でも、完全に無料というわけではなく、多くの場合は決済手数料が発生します。初期費用が多少かかったとしても、月額費用や運用費用が抑えられるのであれば、選択する価値があります。サービス形態を比較する際は、細かな費用までチェックし、長期間の計画を立てて検討することが大切です。

機能が充実しているか

「標準機能がどれだけ充実しているか」も、選定基準として重要なポイントになります。追加の機能をプラスすることで、費用がかさむケースもあるからです。一般的にはASPよりクラウドサービスやパッケージの方が、機能が充実している傾向にあります。標準機能にない機能は、カスタマイズで作ることも可能です。

セキュリティ機能が十分備わっているか

ECサイトにとって重要なのは、セキュリティ対策です。近年、個人情報やクレジットカード情報の漏洩事故が増加傾向にあります。情報漏洩の事件が発生すると、サイトが停止されて調査などが行われ、損害を被る恐れがあります。また、一度情報が流出したECサイトは、信用を取り戻すことが難しいため、集客が難しくなるでしょう。検討の際は、ECシステムはもちろんのこと、インフラ面やサポート面、企業としてのセキュリティに伴う取り組みなどをしっかりと見極める必要があります。

人的サポートがどこまで受けられるか

ECサイトのシステムを提供している業者の人的サポートがどこまで受けられるかを、事前にチェックすることも大切です。業者によって異なりますが、一般的には以下のようなサポートが受けられます。

・プラットフォームの提供
・ECシステムの構築
・デザインの作成
・機能の拡張(カスタマイズ)
・広告運用
・売上アップの提案

多少費用がかかっても、サポート体制が手厚ければ売上の向上も期待できます。対して、サポートがあまり受けられない場合は、トラブルが発生した際に運営がストップしてしまうこともあるので注意が必要です。また、サポート体制がしっかりしていても、実行する人的リソースが足りていなければサポートが受けられません。「今は空いている人員がいないので数ヶ月先」と言われてしまうこともあります。サービスに対してどのくらいの人的リソースで対応しているかなども、検討する際に質問してみると良いでしょう。

まとめ

ECサイトの作り方は様々な種類があり、規模や目的、費用やかけられる時間によって選ぶサービスも異なります。まずは、どのような構築方法があり、自分が求めるECサイトに向いているかどうかを見極めることが重要です。ある程度の方向性が決まったら、解説したポイントを参考に、数社で比較検討してみましょう。


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