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インサイドセールスの立ち上げの流れと失敗しないための注意点

働き方改革や人手不足などで、各企業に生産性向上が求められています。そこで、注目されるのがインサイドセールスです。今回は、インサイドセールスの立ち上げ方や決定すべき項目、失敗しないための注意点について解説します。インサイドセールスの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。


インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、電話・メール・Web会議ツールなどを使って行う内勤の営業活動です。マーケティング部門が獲得した見込み顧客をインサイドセールスが引き継ぎ、情報発信やコミュニケーションを行うことで、購買意欲を向上させます。購買への意欲が高まった段階でフィールドセールスに引き継ぐのが、インサイドセールスの主な役割です。営業活動を各部門で分業することで、業務効率化につながります。また、見込み顧客の確度を高めてから商談を行えるため、受注率向上も期待できます。

近年、多くの企業では、働き方改革や人手不足などで生産性向上を目指しており、業務効率化がかなうインサイドセールスへの需要が高まっています。さらにここ数年は、営業組織におけるDX化や新規開拓の重要性の高まり、さらには新型コロナウイルスの影響によるテレワークの推進もあり、営業活動をリモートで行う企業が増加中です。多くの企業がインサイドセールスを導入している流れを受け、まだ導入していない多くの企業も、立ち上げを検討しています。

インサイドセールスの立ち上げ時に決める事

インサイドセールスを立ち上げる際には、立ち上げ段階でいくつかのポイントを押さえておかないと、失敗のまま終わってしまうこともあるので注意が必要です。こちらでは、成功するために決めておきたい4つのポイントを解説します。

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全社課題から、取り組むべき商材・サービスを考える

最初から複数の商材・サービスで立ち上げると失敗する可能性が高いため、自社の課題から取り組むべき商材・サービスを絞り込みます。まずは、小さな規模で始めるのがおすすめです。また、営業課題によって、どこまでの範囲をインサイドセールスに任せるかは異なります。営業プロセスのどの場面においてインサイドセールスを組み込むかを設計する必要もあります。

提供する情報を決める

自社でインサイドセールスが取り扱うべき商材・サービスと取り扱う範囲が決定したら、見込み顧客に提供する情報を決めていきます。インサイドセールスは、見込み顧客に情報を提供することで、自社の商材・サービスに興味を持ってもらうことが主な役割です。この段階では、見込み顧客を育成する道筋を決め、どのような情報提供をするかを設定します。インサイドセールスを行う際は、電話案内であればトークスクリプトを、メールであれば構成や文章を決定し、どのような段階でフィールドセールスへバトンタッチをするのか設計しておきましょう。

KPIを設定する

見込み顧客に提供する情報が決定したら、目標達成に向けた行動を評価する指標である「KPI(重要業績評価指標)」を設定します。インサイドセールスの一般的な最終目標は、マーケティング部門やフィールドセールスと連携し、新規受注を獲得したり、既存顧客の継続やアップセルにつなげたりすることです。そのため、KPIには主に以下のような項目を設定します。

・架電数・架電率
・メール開封数
・アポイント獲得数
・実際に行われた商談件数
・受注数・受注率
・受注額

適切な人材配置を考える

インサイドセールスの方向性やKPIが決定したら、適切な人材配置を考えます。インサイドセールスを立ち上げる際は、インサイドセールスに向いている以下のような人材を責任者やスタッフとして配置するのがおすすめです。候補者のスキルやマインドを見極め、決定していきましょう。

・電話、メール、Web会議ツールなどにおけるコミュニケーションスキルが高い人材
・業務、タスクの処理スピードが速い人材
・事実ベースで報告できる人材
・チャレンジ精神があり、継続する精神力がある人材
・楽観主義でめげない人材

適切な人材配置が決定したら、教育とマネジメントに力を入れることも必要です。採用・配属した人材や関係各所に、インサイドセールスの意義を浸透させる必要もあります。インサイドセールスのKPIは何かを示し、どのようにセールス全体に貢献できるのかをしっかり把握してもらいましょう。

立ち上げを失敗しない為の注意点

インサイドセールスを立ち上げても成功しなければ意味がありません。まずは、失敗しないために以下の2点に注意しましょう。

まず「インサイドセールスの有用性を各利害関係者が共通認識する」が必須

「同業他社が導入して成功しているから」という理由では、インサイドセールスを導入しても失敗する可能性が高まります。場合によっては、インサイドセールスが必要ないこともあるからです。まずは、自社になぜインサイドセールスが必要なのかを関係者間ですり合わせる必要があります。インサイドセールスの立ち上げを検討する前には、自社の営業課題やインサイドセールスの有効性を各利害関係者間で共通認識しておきましょう。

KPIを設定する上で注意すべきポイント

どのような成果を目的にするかによって、KPIの設定方法は変わります。注意すべきポイントは、最終的な成果を得るまでの過程にある数値も、KPIとして設定することです。

例えば、新規顧客の開拓に向け、アポイント数の増加を目的に活動するとしましょう。単純にアポイント数を追うのではなく、アポイントに至る段階もKPIの項目として設定します。一段階手前にあるリード件数はもちろん、リードを獲得した担当者とのコンタクト率なども含めます。

初めに設定したKPIを状況に応じて見直していくことも必要です。スタッフが経験を積み、レベルが上がってきたら、もう少しレベルを上げたKPI項目を設定するのも良いでしょう。KPIを更新し続けることで、インサイドセールス活動がブラッシュアップされていきます。

立ち上げの際に必要とされるツール

インサイドセールスはチームで行うため、情報の共有や蓄積がポイントになります。そのため、立ち上げの際にはツールを導入して情報を一元管理できる仕組みを構築することが大切です。こちらでは、インサイドセールスを立ち上げる際に検討すべき5つのツールをご紹介していきます。

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MA

MA(マーケティングオートメーション)とは、顧客開拓段階のマーケティング活動を可視化・自動化するツールです。MAの役割は、欲しいと思っているユーザーを見つけ出し、適切なタイミングでアプローチできるようにすることです。MAを使えば、見込み顧客の属性情報、Webサイトへのアクセス状況、閲覧ページの履歴などがわかるようになります。MAツールにシナリオを設計すれば、手動でのアプローチは不要になります。自動的に最適なアプローチが実施され、見込み顧客の確度を上げる活動ができるようになります。

また、MAを使うことによって見込み顧客を詳細に分析することができ「何を求めているか」「検討度合いがどのタイミングで上がったか」などが可視化できるようになります。また、メールの開封履歴やWebの閲覧履歴などから見込み顧客をスコアリングすることで、購買意欲を数値化して可視化することも可能です。スコアが高い順に電話やメールなどでアプローチすれば商談を創出できるでしょう。

SFA

SFA(営業支援システム)とは、営業業務を可視化・効率化できる営業支援ツールです。商談状況をチーム内で共有したい場合や、商談の成約率を上げたい場合に効果を発揮します。インサイドセールスとフィールドセールスで同じツールを利用できるので、ツール同士の連携も不要です。見込み顧客の情報や担当者それぞれの商談状況をSFAでデータベース化することで一元管理できるようになります。

チーム全体の動きが可視化できるようになり、スケジュール管理や引き継ぎがスムースに行えるようになるでしょう。見込み顧客への現時点での営業の進捗が客観的な数値によって把握できるようにもなります。SFAを活用すれば、営業ノウハウの共有と蓄積がしやすくなる点がメリットです。さらにSFAは、売上管理機能や分析機能も充実しています。インサイドセールスの成果も検証しやすくなり、自動でレポートしてくれるので分析工数の削減も期待できます。

CRM

CRM(顧客関係管理システム)とは、顧客情報をデータベース化し、さまざまな角度で分析できるツールです。CRMはカルテのようなもので、自社と顧客との過去の取引やコミュニケーション内容などが記録できます。CRMで、商談履歴や問い合わせ履歴などを蓄積することで、見込み顧客との関係が可視化されます。顧客の購入履歴、自社のサポート活動、過去のクレーム履歴などの顧客情報を細分化して記録することで、適切なマーケティング活動ができるようにもなるでしょう。

インサイドセールスが既存顧客フォローをする場合にも、CRMでこれまでの情報を蓄積しておけば、過去の行動に合わせて最適な提案ができます。また、CRMは一定の条件設定のもとで「優良顧客」「休眠顧客」など、顧客層ごとのマーケティング施策が行えるようにもなります。

名刺管理ツール

名刺管理ツールは、顧客や見込み顧客の名刺情報をデータベース化し、一元管理するツールです。個別情報を手入力することなく、名刺をスキャンしたりスマホカメラで撮影したりするだけでデータ化してくれます。数々の名刺交換や展示会・セミナーなどで膨大な顧客と名刺交換をした場合でも、名刺管理ツールがあれば簡単に登録・管理することが可能です。社内の各部署に多くの名刺が散在している場合でも、名刺管理ツールを活用すれば一元管理できるようになります。また、名刺情報を取り込むだけではなく、取引先の組織図を作成したり顧客情報を管理したりする機能も付いているので、情報の漏れや重複を防ぐこともできるでしょう。

Web会議ツール

Web会議ツールは、Web上で相手の顔を見ながら商談できるツールです。リモートワークを推進する企業が増え、導入企業が急増しています。Web会議ツールを活用すれば、見込み顧客との関係を構築できるだけではなく、実際の商談に使うことも可能です。電話では相手の顔が見えず、声色でしか判断できません。しかし、Web会議ツールを使えば、相手の顔色や反応を見たり、資料を使って訴求できます。インサイドセールスがクロージングまでを担当する場合は、Web会議ツールを導入するとスムーズに進むでしょう。

アウトソーシングした場合

インサイドセールスを導入したいけれど、リソースが足りないという場合はアウトソーシングするという手もあります。アウトソーシングした場合のメリットは、ノウハウや経験値がある人材を確保できる点です。自社の中でメンバーを選出して教育する場合はかなりの時間が必要ですが、アウトソーシングであれば即戦力となる専門知識を持った人材に担当してもらえます。ただし、コストがかかり、社内にインサイドセールスのノウハウが蓄積しにくい点はデメリットです。また、セキュリティ面のリスクもあります。アウトソーシングを検討する際は、メリット・デメリットを踏まえて熟慮する必要があります。

まとめ

多くの企業が導入を検討している「インサイドセールス」の立ち上げについて解説しました。インサイドセールスは、導入すれば生産性向上が期待できる一方で、立ち上げの際はポイントを押さえて注意点に気を配ることが大切です。ご紹介した内容を参考に、インサイドセールスの立ち上げを検討してください。


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