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【定型文付き】カスタマーサポートのメール対応について解説

お客様の要望・質問・クレームなど、カスタマーサポートには毎日さまざまなお問い合わせメールが届きます。限られた従業員・業務時間内で、お問い合わせメールに素早く丁寧に対応することが大切です。今回は、カスタマーサポートのメール対応で意識すべきポイントをはじめ、定型文の活用の仕方やおすすめの定型文例をご紹介します。


カスタマーサポートにおけるメール対応とは

カスタマーサポートとは、商品・サービスを提供している企業が設置するサポート体制です。主に電話やメールを使って、お客様からのお問い合わせに対応します。メール対応とは、お客様からのお問い合わせに対してメールで返答する手段です。お客様からのお問い合わせは、商品やサービスの利用方法、質問、クレームなど多岐にわたります。企業はお客様の「困りごと」に対して、早急かつ丁寧に対応する必要があります。

カスタマーサポートのメールで意識するポイント

カスタマーサポートのメール対応では、ほんの少しの対応方法の違いや書き方の間違いによって、お客様の印象を大きく左右します。場合によっては、お客様の不満を招く恐れもあるので、注意しましょう。メール対応の際に意識すべきポイントをくわしく解説します。

本文は明確に記載する

カスタマーサポートから発信するメールは、一般的に以下の項目で構成されます。

・冒頭の挨拶
・本文
・可能であればプラスアルファの補足や提案
・締めの挨拶
・署名

最も重要なのは、質問された内容に対して回答を行う本文です。肝心の回答に抜けや漏れが生じていると、お客様の問題は解決されません。また、回答の内容がお客様に理解してもらえなければ、何度もメールをやり取りすることになり、解決までに時間がかかってしまいます。本文の内容は、誰が見てもわかりやすいように、明確に要点をまとめることが重要です。必要に応じて、箇条書きにしたり、参考URLを記載したりしても良いでしょう。

また、お客様自身が問い合わせた内容を忘れてしまっているケースもあります。返信メールには、会社名やお問い合わせの内容を必ず明記することが大切です。締めの挨拶まで記載した後、最後に署名を忘れずに記載します。署名が無いと、本当に問い合わせた企業から送られたメールかどうか不審に思われるからです。自社の信頼度を下げないためにも、署名には以下の項目を記載しましょう。

・会社名
・電話番号
・住所
・公式URL
・メールアドレス

専門用語は避ける

誰が見てもわかりやすい内容にするには、専門用語を使わないことがポイントです。自社では当たり前に通用している用語でも、社外の人が見たらよくわからないこともあります。お客様によっては、専門用語が入っていると「馬鹿にされているのではないか」と感じるかもしれません。説明上、どうしても専門用語を使わなければならないときは、注釈や具体例を入れるなど、わかりやすくする工夫が必要です。メールの作成後には、「専門用語を知らない人でも理解できるかどうか」をチェックしてみましょう。

時間がかかる回答もまずは一次返信

調査や回答に時間がかかる場合など、すぐに返答できないときは、ひとまず一次返信をするのがおすすめです。回答が遅いと「メールが届いていないのではないか」「無視されているのではないか」など、お客様に不安や疑念を与えます。回答に時間がかかる場合は、あらためて連絡する日時を具体的に記載し、その日までに回答するか、進捗を知らせる旨を記載しましょう。

お客様の質問意図を正確に理解する

カスタマーサポートには、さまざまな問い合わせが寄せられます。中には、質問の意図が明確でないものや、理解に苦しむ内容もあるでしょう。しかし、個人で勝手に「〇〇だろう」と判断するのは大変危険です。お客様からの質問に対して見当違いの回答を避けるためにも、質問の意図を正確に理解する必要があります。お客様からのメールの意図がつかめない場合や、過去の事例に当てはまらない場合は、他の担当者や上司に相談し、正確に意図を汲みとることが大切です。

クッションワードを活用する

クッションワードとは、相手にものごとを伝える際に、言葉の前に「ワンクッション」を入れる言葉です。自分の伝えたいことをいきなり相手に伝えるよりも「お手数をおかけしますが」「恐れ入りますが」「お手間をとらせますが」などのクッションワードを入れたほうが、相手の気持ちを考えた表現になって印象がやわらかくなります。クッションワードはビジネスシーンでよく使われますが、お互いの顔が見えないメールの場合でも、相手への敬意を伝える手段として効果的です。

メール対応時のよくある問題

メール対応は電話に比べて、冷静な状態で回答できて記録が残しやすいメリットがあります。しかし、ポイントを押さえておかなければ、大きなミスにつながる恐れがあるので注意が必要です。こちらでは、メール対応時によくある問題を5つご紹介します。問題が生じた場合を想定し、あらかじめスタッフ間で共有したり、対策法をマニュアル化したりするのも良いでしょう。

オペレーターのスキルによる応対品質のバラつき

メール対応は、複数の担当者で行う場合がほとんどです。しかし、オペレーターのスキルによって、応対品質に差やバラつきが出てしまうケースがあります。お客様に満足してもらうためにも、担当者のスキルによるバラツキを小さくする施策が必要です。

よくある質問に対しては、定型文を用意しておくとよいでしょう。ただし、定型文に頼り過ぎると、返信が画一化することもあるので注意が必要です。顧客への応対品質を一定化するためには、返信前に他の担当者に添削してもらうのも効果的です。作業を効率化するために「メール共有システム」を導入するのも良いでしょう。メール共有システムを利用し、定型文の作成・共有をすることによって、返信品質のムラを減らせます。さらに、メールの添削・確認依頼が簡単にできるようになり、履歴も残せるため、対応時間の短縮も図れるでしょう。

メールの対応漏れおよび重複対応

お問い合わせが多い場合や担当者のリソースが不足していると、対応漏れや重複対応が発生するリスクが高まります。それらを防ぐためには、「未着手」「対応中」「返信済み」などのステータスを関係者で共有する必要があります。リアルタイムに更新・共有が可能な共有システムの導入が有効です。

メール返信に時間がかかりすぎる

お問い合わせの内容には、すぐに解決できるものと、解決までに時間がかかるものがあります。特にクレーム対応の場合は、事実確認や返金保証の調整などが必要となり、返信までに時間がかかります。返信に時間がかかる場合は、お問い合わせを受け取ったことを知らせる「一次返信」のタイミングを決めて、ルール化しておくと良いでしょう。一次返信用の定型文を準備しておくと、サポート担当者のスキルによる応対品質のバラつきも軽減できます。

メールアドレスや宛名の間違い

メールアドレスや宛名を誤って入力することで、誤送信が起こってしまうケースがあります。情報漏洩による企業リスクが高まるなか、誤送信は絶対に避けなければなりません。誤送信は、企業の信用問題に関わるだけではなく、賠償問題に発展するリスクもあります。チーム内で間違いを起こさないためのルールを検討し、策定したルールを徹底する取り組みが必要です。「メールアドレスや宛名は手打ちしない」「複数案件を一画面に開いてメール対応しない」などのルールを徹底することで、トラブル発生リスクを下げることができます。誤送信が発生してしまった場合は、迅速な対応が必要です。社内での連絡体制や、お客様に送付するメールの定型文などを記載したマニュアルを作成しておきましょう。

顧客情報を把握していない

同じお客様から、数回のお問い合わせがあるケースもあります。数回にわたって対応する場合は、過去の問い合わせ履歴が必要です。同じお客様から何度かお問い合わせを受けている場合は、過去の対応を把握した状態での解決策の提案が必要です。情報を把握していないと、以前にやり取りした内容を再度記載してしまうことになり、お客様に不信感を抱かせてしまいます。過去の問い合わせ履歴を考慮した提案は、お客様の納得感や安心感につながるケースもあるので、必ず情報を把握してから返答しましょう。

カスタマーサポートで利用できる定型文の一例

オペレーターのスキルによる応対品質のバラつきや、返信までの時間を短縮するためには、定型文を活用するのがおすすめです。こちらでは、カスタマーサポートで利用できる定型文の一例をご紹介します。

お問い合わせ対応に対する返信

お客様からのお問い合わせは、商品やサービスに関するものがほとんどです。こちらでは、サービスに関する質問や資料請求の要望に対する返信文例をご紹介します。

サービスの質問への回答

【件名】〇〇に関するお問い合わせについて

株式会社●●
▲▲様

いつもお世話になっております。
株式会社●●カスタマーサポートの□□と申します。
このたびは、〇〇サービスをご利用いただきありがとうございます。

×月×日にお問い合わせいただきました〇〇の件について、以下のとおり回答させていただきます。

【質問に対する回答】

ほかに何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後とも●●を何卒よろしくお願い申し上げます。

資料請求に関する案内

【件名】〇〇に関するお問い合わせについて

株式会社●●
▲▲様

いつもお世話になっております。
株式会社●●カスタマーサポートの□□と申します。
このたびは、弊社の〇〇についてお問い合わせいただきありがとうございます。

プランの種類、サービス概要、各プランの価格などについてまとめた資料を、本メールに添付させていただきますのでご確認くださいませ。

ほかに何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後とも●●を何卒よろしくお願い申し上げます。

クレーム等に対応する返信

お問い合わせの中には、謝罪をしなければならないケースもあります。少しの言い回しや言葉のミスで、お客様の気持ちを不快にさせてしまうこともあるので、注意が必要です。こちらでは、トラブルやクレームに対する謝罪メールの例文をご紹介します。

お詫びメール

【件名】〇〇に関するお詫び

株式会社●●
▲▲様

いつもお世話になっております。
株式会社●●カスタマーサポートの□□と申します。

弊社の〇〇についてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
〇〇の件につきまして確認いたしましたところ、〇〇が原因であることが判明いたしました。

【質問に対する回答】

このたびは、弊社の不手際によって▲▲様に多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
心よりお詫び申し上げます。

【対策内容】を徹底して、再発防止に努めて参ります。
今後とも●●をよろしくお願いいたします。

落ち度がない場合のメール

【件名】〇〇に関するお問い合わせについて

株式会社●●
▲▲様

いつもお世話になっております。
株式会社●●カスタマーサポートの□□と申します。

弊社の〇〇についてお問い合わせいただきありがとうございます。
〇〇の件につきまして、調査を行いましたので結果をご報告いたします。

【調査結果】

大変ご迷惑をおかけしますが、今後とも何卒ご理解のうえでご利用いただきますようお願い申し上げます。

なお、今回ご指摘いただいた点は真摯に受け止め、今後のサービス改善に反映できるよう努力いたします。

このたびは貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。
今後とも●●をよろしくお願いいたします。

すぐに回答できない場合の返信

【件名】〇〇に関するお問い合わせについて

株式会社●●
▲▲様

いつもお世話になっております。
株式会社●●カスタマーサポートの□□と申します。

このたびは、〇〇に関してお問い合わせいただきありがとうございます。

大変恐縮ではございますが、早急に確認し、本日より〇営業日以内にご回答いたします。▲▲様の貴重なお時間をいただき、誠に申し訳ございません。今しばらくお待ちいただければ幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

お礼を伝えられた場合の返信

【件名】ご連絡いただいた〇〇について

株式会社●●
▲▲様

いつもお世話になっております、株式会社●●カスタマーサポートの□□と申します。

このたびは、うれしいお言葉をわざわざご連絡いただき、感謝申し上げます。
今後ともより良いサービスをお届けできるよう、社員一同、尽力いたします。
ご利用の際に不明な点などございましたら、お気軽にお問い合せください。

今後とも●●をよろしくお願いいたします。

定型文を効果的に活用するには

最後に、定型文を効果的に活用するために重要なポイントを3点ご紹介します。

オペレーターにアイデアを出してもらう

定型文の内容について一番理解が深いのは、実際にメールのやり取りを行っているオペレーターです。定型文を作成する際は、現場の声を聞くことで「使われる定型文」になるでしょう。しかし、特定のスタッフに頼り過ぎると、内容に偏りがでるリスクがあります。オペレーターチーム全体で意見を出し合い、確認することも重要です。

修正を前提で考える

カスタマーサポートには、日々多くの問い合わせがあり、内容のバリエーションも増えていきます。定型文は一度作ったら終わりではなく、修正が必要ということを前提に考えておきましょう。一度作成した定型文をずっと使い続けていると、現状に合わなくなるため、オペレーターがその都度加筆したり、修正したりする手間が発生します。製品の仕様等に変更があったときはもちろんのこと、お客様の反応を踏まえて、改善できる点がないかどうかを定期的に見直すことも重要です。また、現在定型文がない問い合わせにおいても、よく発生する事案であれば、定型文を作成することによって業務効率化につながるでしょう。

定型文の仕様をチームで徹底する

定型文を作成しても、オペレーターが使う習慣がなければ意味がありません。日頃から定型文を使う習慣をチームで徹底し、定期的にオペレーター同士でロールプレイングや、定型文の見直しを行いましょう。定型文の種類が多い場合は、検索性を高めたり、ワークフローを作成したりするなど、誰もが素早く目的の定型文を見つけられるような工夫が必要です。

まとめ

カスタマーサポートにおいて、メール対応を効率的に行うためには、定型文の活用がおすすめです。今回は、メールで意識すべきポイントや注意点を解説しました。ご紹介した内容やメールの文例を参考に、自社に合わせた定型文を作成してください。

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